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44田メディア対談、第6弾は株式会社RAIJIN(雷神) 代表取締役:市原 俊亮(いちはら しゅんすけ)氏です。
■異色な経歴、ピアニストから実業家へ?
(市原=市、赤木=赤)
赤:まず、市原さんの現在のお仕事からお聞かせ下さい。
市:はい、私は㈱RAIJINという会社でITシステムに関する仕事をしております。当社は特に「ITシステムの開発」と「IT戦略コンサルティング」に強みを持っています。企業が事業戦略上の手段の1つとしてITを活用する場合の、ECサイトやポータルサイトの構築、システムのオペレーションなどを主な業務としてます。特に新規事業立ち上げでは相当な強みと実績を持っています。具体的な事例等は守秘義務でお教えすることは出来ませんが……(笑)
赤:なるほど〜、既に難しすぎて頭がパンクしそうですが(笑)。
私が、今回市原さんと対談したいと考えたのは、市原さんの特異な経歴をお聞きして率直に人物像に興味を持ったからです。市原さんは元々は本気でピアニストを目指して大学も音楽大学に進学されていたと伺っていますが、それがどういった経緯で現在に至るようになったのですか?
市:僕はやるからには絶対にNo.1になりたいタイプの人間なのです。ピアノに関しては、生まれた時から目の前に在ったというのが正確は表現なのだと思っています。取り敢えずピアノはトコトンまで練習しました。ただ、どうしても努力だけでは埋められない才能の差というのを感じてしまった。このままでは自分の到達したいレベルまで行けそうにないと思いました。そう悟った時、今までピアノが全てだった僕ですが、不思議とスパっと諦められた。むしろトコトンまでやったから開き直れたのだと思います。
赤:それで一転ビジネスの世界に飛び出したと……?
市:いやいや、そんなスーパーマンじゃないですよ(笑)。ピアノしかやって来なかったのでビジネスとか社会なんて言われても全然ピンとこない。その当時、たまたま1999年のITバブルの最中で、これからはインターネットが生活の中心になって来るのは間違いないから、取り敢えずプログラミングの勉強から始めてみようか…的な感じで、ITの世界に入っていったのです。
ところが、意外とプログラミングって面白くて、これもトコトンまでやりたくなってしまった。それはもう朝から晩まで寝る間も惜しんでプログラミングです(笑)。そうこうして、仕事を頂くようになり、システムの受託開発なんかをやっていました。
赤:それで、RAIJINの強みの一つが「ITシステムの開発」なのですね。では、もう一つのRAIJINの強みである「IT戦略コンサルティング」についてはどうですか?
市:冒頭にお話したと思いますが、僕はやるからには絶対にNo.1になりたいタイプの人間なのです。せっかくビジネスの世界に入ったならば、まだ誰も気付かない分野で新しい事業モデルを生み出したい!そしてその事業モデルを世に問うてみたい!との強い思いがあります。その為には、ビジネス構築の部分をきちっと理解する必要があります。勿論、最新の理論などは徹底的に身につけている自負がありますが、実際にはクライアントの抱える現場によって相当なバリュエーションに膨らむ。「IT戦略コンサルティング」を通して、その一つひとつをクライアントと一緒に解決していくことで、ビジネス構築に繋がる部分をトレーニングすることが出来ると思っています。繰り返し繰り返しトレーニングをすることでビジネスを成功させる癖を身につけたいと考えています。
赤:なるほど、市原さんの話を聞いていると、ピアニストを目指して必死で努力していた体験からでしょうが、世間一般的に成功されていると言われている人に共通する、「日々の基礎的な努力を疎かにしない」という部分が本当に身にしみ込んでいるのが良く分かります。では、現時点でいいのですが、市原さんが取り組みたいと思っている「まだ誰も気付かない分野での新しい事業モデル」について教えて頂けますか?
■既存の業界でも未開拓な分野はまだまだある。キーワードはデザイン力?
市:僕もまだ模索中ですが(笑)、「リゾート」が大好きなので、その分野で新しい何かを生み出したいと思っています。
赤:リゾートですか……?
市:リゾートって沖縄とかハワイとかのイメージが強いと思うのですが、僕の思うリゾートは違っています。ある時、仕事に疲れてしまった時に、ふと旅行に行きたいと思ったことがありました。どこに行くかを考えた時、その時は本当に疲れきっていたので、なぜわざわざ人のいっぱいいる所に行って窮屈な思いをしなくてはいけないのかと、ふと思ったのです。そこで、『南国の小島で、静かにゆっくり』というキャッチフレーズに惹かれてプーケットに行くことにしました。そして折角行くからには、宿泊ホテルもゆっくり出来る所にしたいと思い、その夜から独りプーケットホテル選手権をやってみたのです(笑)。ホテルは全部で数百もあったと思います。夜中、独りでホテルのWebサイトを開いては閉じてを繰り返しブツブツつぶやくのです。本当に気持ち悪いですよね(笑)。
赤:数百も……(絶句)。そんな所まで徹底しなくてもいいのに……(笑)。
市:その中で、シックスセンシズというホテルがありました。今ではもう有名ですがその当時はあまり知られてはいませんでした。そこのホテルに決めたのですが、決め手はホテルの各部屋にプールが付いていてプライベート空間の完成度が高かったことでした。当時は相当疲れていたので、人に会いたくなかったんでしょう(笑)。でもその甲斐あって、実際に行ってみて衝撃を受けました。その辺に不愉快なものが何一つない! 疲れる要素が全て削ぎ落とされている感じでした。外でも木々に囲まれた中を素足で歩けるとか……。「これは凄いな、こんな世界があるのならば俺はこの先も生きて行ける」と感じた。キャベツ一つとっても凄いシャキシャキしてるのです。エネルギーが満ちてくるというか……。そういった体験からでしょうね、自分が新しく生み出すビジネスもこういう“生きていく糧を提供できるもの"にしたいと考えています。
赤:欧米の方々が日本のお寺に来て、宿坊に泊り、座禅を組み、精進料理を食すという感覚に近いですね。提供しているモノは違うけど、「生きている」を再確認するという要素は似ている。確かに世界中のビジネスマンは相当精神的にも疲れていますから、そういったサービスは非常に意義があると思います。
市:例えば、リゾート情報の配信サービスは沢山ありますが、だいたいEメールで配信されてくる。僕はこれが凄いイヤなんです。なぜならEメールって仕事で いつも使っているじゃないですか。なのでEメールで情報を見ること自体に非常にストレスを感じてしまう。本当のリゾートを追求するなら、情報を提供する局面でもストレスを感じないようにして欲しい。リゾート情報を受け取るだけで癒されるみたいな。そこまで追求できているサービスは殆どないと思います。
赤:それは非常に共感できます。人が幸せを感じる時って、「“必要なモノ”を手に入れた時ではなくて、“欲しくて仕方がないモノ”を手に入れた時だ」と思っています。そして、必要なモノを欲しくて仕方がないモノにまで昇華させる事がデザインだと思っています。AppleのMacもそうだし、フェラーリもそう。市原さんの考えるリゾートも、欲しくて仕方がないモノですよね。でもそこまでデザインされているサービスが少ない。まだまだ開拓余地が大きく残っている分野ですよね。
市:面白そうでしょ? でも自分独りでは不安や現状の仕事もあって中々具現化しにくい。そういう時にでも一緒に夢に向かって取り組める仲間がいれば具現化するスピードは飛躍的に速くなると思うのです。44田寮にはそういった機能も備わっていると期待しています。
赤:44田寮自身も「欲しくて仕方がないモノ」に昇華出来るようしっかりデザインしていきたいと思っています。今後共、色々サポートして下さいね(笑)。
市:勿論です。
■44田寮 寮長 編集後記
市原俊亮 氏を一言で表すと【セルフ巨人の星】である。誰でも色々なことにチャレンジしやすい世の中になっている中、時代に逆行するように自らに様々な足かせを設け、まだ早い、まだ早いと自らを鍛え続ける。
それは彼がピアニストとして人生の多くを過ごしたというだけではなく、最終的に設定している目標自体が非常にレベルの高い所を見ているからなのかもしれない。
彼が大リーグボール養成ギブスを外す日が、今から非常に楽しみだ。
StartUp44田寮 寮長 赤木優理